連結決算とLLP(有限責任事業組合)

こんばんは

LLPは民法上の組合となるため、連結決算という考え方は存在しません。LLPの事業年度末に、損益分配を取り込むことにより、”連結”されていくこととなります。また、損益分配には、グロス方式とネット方式があります。

グロス(総額)方式とは、収益と費用を両方取り込む方法です。ネット(純額)方式とは、損益(収入 ― 費用)のみを取り込む方法です。どちらも結果損益は変らないのですが、事業規模の大きさを表現したいと考える会社もあると思います。
例えば、

LLP A組合 (組合員X社 損益分配割合:50%)

収益(売上) 10.0億円
費用     9.9億円
———————
損益 0.1億円(1千万円)

組合員X社への分配(上記の50%)

収益(売上)  5.00億円
費用     4.95億円
———————
損益 0.05億円(5百万円)

この場合、ネット方式でLLP事業損益を取り込むと

LLP分配収益5百万円

が、X社の損益計算書に計上されるだけとなります。

一方、グロス方式の場合は、

収益(売上)  5.00億円
費用     4.95億円

[仕訳]
(借方)費用  4.95億円  (貸方)売上 5.00億円
(借方)未収入金0.05億円

がそのまま、取り込まれるため、事業規模の大きさが表現されます。

以上のような取扱いは、民法組合について行うことが可能な処理であって、匿名組合(商法上の組合)では、ネット方式しか採用することができません。何故なら、匿名組合の財産・負債が、営業者(誰それって?!すみません、説明割愛します。。)に帰属するため、民法組合のような持分共有にならないためです。

ではまた~